第1章 「冒険の始まり」

#01「黒の来訪者」

*ラルフ ~オーラニア王国「王都インティウム」にて~

 

天上の広い広い青を1羽の鳥が飛んで行く。

レスティリア地方オーラニア王国。その王都インティウムは、客を呼び込む店主の声や店で談笑する老若男女、子どもの走り回る音など様々な音で賑わっていた。

空を駆ける鳥を目で追いながら、宿屋や市場が並び賑わう道の真ん中を俺は颯爽と駆けていく。

「おっラルフじゃねぇか!なんだ、まーたお前剣士修行か?」

名前を呼ばれた事に反応し、俺は立ち止まり振り向く。振り向くと、酒場のテラスから顔を出している傭兵の男達がジョッキを掲げていた。

「ああ、剣士たる者鍛錬は欠かせないってね!」

「か~~英哲な男だもんなぁお前は!志は高いし自分のやり通したい事にゃ常に全力でよ。ま、いわゆる無鉄砲ってやつだな」

「無鉄砲はやめろって、せっかく前半かっこいい感じだったんだからよ。ていうかおっさんら酒臭いな!?真っ昼間から酒盛りか?」

「へへっまあな。お前さんも今日もご苦労なこった。どうだ、景気付けに1杯やらねぇか?」

男達は上機嫌にジョッキに入った酒を飲み干す。顔全体が真っ赤になってる辺り相当飲んでいるのだろう。

「生憎昼間に潰れる趣味は無いんでね!そもそも酒自体俺はまだ飲めねぇよ」

「へっガキには分かんねぇかぁ。昼間に飲む酒の旨さってもんをよぉ」

「余計なお世話だっての。誘いなら今度手合わせの方を頼むぜ」

「おっ!任せとけ」

王都インティウム名物のチャケットの唐揚げを摘みながら、男は大きな手で胸をどんっと力強く叩く。

「じゃ、俺行くから!おっさんら、酔っ払うのも程々にしとけよ!」

「へっ余計なお世話ってもんだな!」

傭兵の男達に手を振り、俺は再び駆け出す。残り1つとなったチャケットの唐揚げを奪い合う酔っ払い達の声を背中越しに聞きながら。

 

 

*ラルフ ~オーラニア王国「王都インティウム・旧噴水広場」にて~

 

風に撫でられて揺らぐ、森の草木。

その森に存在する、広けた空間。

目の前には、敵。

目の前に5体、後ろに3体。その奥に4体。

微動だにしない敵目掛けて、静かに意識を研ぎ澄ませて―――振り切る!

 

ザッッ!!!

 

前と後ろ、その奥に立てられていた敵。…否、丸太が、刃が通った道に合わせ分離し、落ちる。

「っしゃ!またパーフェクト!」

俺は剣を振りかざしガッツポーズをする。俺が切った丸太は今しがた平坦で綺麗な切れ目を作り、地面のあちこちにその身を横たわらせていた。

「ふう。今日はこれくらいにしとくか。しっかしなぁー!やっぱ誰かと手合わせする鍛錬じゃないと物足りねぇよなぁ」

剣を鞘に収め、俺は溜め息をつく。今度あの傭兵達には思う存分相手をしてもらおう。そんな事を思いながら行きに歩いた道を道なりに歩く。

やがて見えてきた街の旧噴水広場。城の近くに店の立ち並ぶ大きな広場が出来てからというもの、王都の端に位置するこの場所はすっかり人に使われる事が無くなった。人に使われる事の殆ど無くなったこの場所は寂れ、噴水は水こそ張っているものの水の柱は立つ事無く、じっと息を潜めている。俺は噴水の縁に腰掛け、腕で自身に滲んだ汗を拭う。

「はー…にしても、一体どれくらいの腕前になりゃ1人前の剣士なんだろうな」

俺は天を仰ぎ、うなだれる。

『お前は剣士など向いてない』

ふと、昔父親に言われた言葉を思い出す。今でも覚えている、一歩も譲らないと言わんばかりの険しい表情。自分を頑固にも否定してくる時にするその表情が、俺は昔からどうにも苦手だった。

「俺は剣士に向いてない…か」

俺は徐ろに剣を抜く。静寂の中、剣と鞘が擦れる音が響く。俺の周りだけ時間が止まっているようだった。

「…そんなの、やってみなきゃ分かんねぇだろ」

俺は水面を覗き込み、自身の顔を見る。自身を奮い立たせるように、俺は水面の自分へと笑いかけてみせた。しかし、水面のある一点を捉えすぐに顔を強張らせる。

「…黒い太陽?」

憎いくらいに眩しく輝いている太陽。水面に反射するその太陽が、空にぽっかり穴を開けるかのように黒く、映っていた。

「なんだ、これ」

俺が顔をしかめたその刹那。

水面に映る俺の口が独りでに、弧を描くようににんまりと醜く歪んだ。

「っ、うわ!」

慌てて飛び退き、俺は手に持つ剣を水面の自分へと突き立てた。バシャッ、と水の跳ねる音が響き、 視界に黒いもやのようなものが噴き出す。瞬間俺の背筋に嫌に冷たいものが走る。

しかし、水は剣に切られる事など無く波紋を広げ、剣を水から引き上げると再び虚像を映した。その虚像は不可思議な現象に驚いて警戒する俺の顔。太陽も眩しく白い光を爛々と輝かせており、そこにはいつもと変わらない当たり障りない景色が映し出されていた。

「なんだ、気味悪いな……」

「おいこら!町で堂々と剣を引き抜くな、危ねぇだろ!」

「うわ、すいません!」

早まる動悸を押さえつけようと胸に手を当てていると、背後から野太い男の声で怒鳴られた。振り返ると、そこには1人の男が俺の事を見下ろしていた。青いコートを身に纏い、腰に大きな革袋を提げている大柄の屈強そうな男。明らかに良くない状況に俺はつい「げ、」と声を漏らす。

「お前、見ない顔だな。こんな寂れた所で何してたんだ?」

剣を持っている方の俺の腕を掴み、威圧するように男は俺を睨んでくる。

「お、俺!この先の森で剣術の鍛錬をしてたんだ。今はその帰りで…」

「鍛錬?あんな辺鄙な森で鍛錬する剣士があるかよ!もうちょっとマシな嘘つけ!」

男は腕を掴んでいる手に力を込め、俺を威圧する。俺の言う事などまるで聞く気が無いようだ。

「いや、あそこは人が全く来ないし鍛錬には持ってこいなんだよ!嘘なんてついてないって!」

「いいや、嘘ついてるね。その証拠にさっきこの噴水に剣を突き立てていたじゃねぇか。この噴水は王宮が建てた物。それをお前…!」

「それは…!さっきここの水に変なのが映ったんだよ!剣刺した途端出た変な黒いもや、お前も見ただろ!?」

「何言ってるんだお前?さてはある事無い事言って変な噂広めようってんだな?王への冒涜も大概にしろよ!?」

「だから違…っ!ほんとに何か見えたんだって!」

「黙れ!どっちにしろ街で剣を抜いてる以上怪しいには変わりねぇ!来い、連行してやるっ」

「話通じない奴だな!?人の話聞けよ!誰か、誰かーーっ!」

掴まれた腕を振りほどこうともがくが、更にギリギリと力を入れられてしまう。無人とも言える場所に俺の声が響く。

(なんでこういう時に限って人ひとりいねぇんだ!)

渾身の叫びも虚しく、俺は男にずるずると引きずられていった。

 

 

*ラルフ ~オーラニア王国「オーラニア王国・叡智の間」にて~

 

オーランド王宮大広間。

きらびやかな装飾の施された廊下は歩く者全ての視界にこれ見よがしに煌めき、王宮の権力の強さを表しているようだった。

(王宮ってすげぇな。こんなの城自体が財宝みたいなものじゃねぇか)

俺もまたその輝きを浴びながら、その長い長い廊下を男と共に進んでいた。

ふと男がある1つの扉の前で立ち止まる。金の装飾の施された扉をノックし、扉を軋ませながら男と俺は部屋へと入る。

「只今戻りましたよっと」

「ギーク…遅い。何してたんですか」

部屋の中にいたのは、1人の男性。

ギークと同じ青いコートを着たその男性は、栗色に色づいたくせっ毛から藍色の瞳を覗かせながら不機嫌そうに俺達の方を見つめている。

「そうカッカしないでくれよメイジス卿。ほら、見てくださいよこいつを!この俺が不届き者を連れてきたんだぜ?」

「痛って!何すんだ!」

「黙れ。メイジス卿の前で洗いざらい吐いてもらうからな!」

言うや否や、男…ギークは腕を掴み俺をメイジスという男の前へと連れ出す。

さっきから何なんだこいつは。初対面からあまりに失礼じゃないか。

「その青年は?」

「自称剣士だってよ。街で剣を出してたんで連行してきたんだぜ」

「自称じゃなくて本当に剣士だっての!少しは話を聞け、この脳筋野郎!」

「あ"!?誰に口聞いてんだ!?」

「なる程…野良の剣士ですか」

勢いづいて捲し立てるギークとは裏腹、メイジスは冷静に俺を見やる。まるで何かを見定めるかのように。

その瞳は落ち着いているような、暗く静かな森のような憂いを帯びていた。ギークとは正反対の彼の冷静な様子に俺は変に緊張し、自然と背筋が伸びる。

「ギーク。その時の状況を知りたいのですが」

「へっへ。聞いてくれよ。こいつ、街で剣を出してたんだ!」

「それはさっきも聞きました。それで?」

「それだけじゃないですよメイジス卿。こいつ、噴水に剣をぶっ刺してたんですよ!あの王宮建造物である噴水にです、きっと反逆者に違いありません!許しておけますか!」

ギークは早口でまくし立て、得意気に俺の顔を指差す。

噛みついてやろうとした時。それよりも先にメイジスが深い溜息を吐いた。

「…お前、まさかそれだけの理由で王宮に連行してきたとは言いませんよね?」

「え、それはどういう―――」

「…はぁ。たしかにいつもより目を光らせろとは言いましたがね…」

やれやれと言わんばかりにメイジスは自身のこめかみを抑え、俺に向き直った。

「そこの青年、ギークの言っている事は間違いないですか?」

「…ああ、たしかに俺は剣を抜いたよ。でもそれは剣術の修行を行っていたからだ。噴水に剣を立てたのは…信じてもらえないかもしれねぇが、何かが噴水に映りこんだんで驚いて刺したんだよ。黒いもやも出たから気のせいじゃないはずだ」

「黒いもや…ですか」

俺の話にメイジスは怪訝そうに首を捻る。暫く考える素振りをしたのち、再びメイジスは口を開いた。

「貴方が見た何か。もしかしたらそれは魔術の類かもしれません」

「信じてくれるのか?」

「ええ、私自身もそのような魔術的現象に立ち会った事がありますから。それにこのご時世、我がオーラニア王国は今や魔導士たる者が当たり前に存在しています。不可解な現象の1つや2つ、あって当然でしょう」

メイジスの様子に俺は安堵した。ギークとは違い、こちらは話の通じる人物のようだ。

「さて、申し遅れましたね。改めてお初にお目にかかります。私はファンディアス当主、アリシア=メイジス。以後お見知りおきを」

王国中が知る王宮の柱、軍司レイヴァス、地役ファンディアス、宗法ノルヴァス。

王宮を支える三権制の1つファンディアスは、関所等の政治面を管轄とする政治機関の通称だ。各土地の地主で構成されている為、いわゆる地位の高い人物の集まりだ。メイジスはそのファンディアスのトップに属する人物だと言う。

「この度はこちらの失礼な行動で不快な思いをさせて申し訳ありませんでした。今日は戴冠式ゆえ、普段以上に警備を強化するよう私がファンディアス各位に命じていたのです。それをこの馬鹿団員は限度も知らず突っかかったようでして」

「ば、馬鹿ぁ?で、でもよメイジス卿。こいつ剣あの王宮建造物である噴水に突き立ててたんだぜ?」

「それが冒涜だと言うのなら廃れてる時点で冒涜であると言わざるを得ないでしょう?」

「ぐ…ま、まあそうだが…」

「お前は早計で極端なんですよ。もう少し相手の行動の真意を見極める事をしなさい。大体お前は…」

「ま、まあ俺も軽率に剣を出して悪かったよ。たしかに街で剣を出してちゃ怪しまれるのも仕方ねぇよな。…それより、あれだ。今日戴冠式だったな」

そう、今日はオーランド王国全体が待ちわびた戴冠式。

現在国をおさめている王が退位され、次の後継者が即位されるおめでたい日だ。

「ええ、間もなく戴冠式が大広間にて執り行われます。…そうだ、ラルフさん。戴冠式を王宮関係者の参列席にて見に来てはいかがですか?」

「いいんですか?でも俺一般人ですよ?」

「ええ、これも何かの縁ですから。王宮の者達には私達ファンディアスから伝えておきますので」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

心優しいメイジスの言葉に俺はにこりと笑いかけた。

「ではギーク、ラルフさんを大広間の参列席まで連れて行ってさしあげなさい。私はレイヴァスとノルヴァスの隊長方と話をしてから大広間へ向かいますから」

「お、俺ですかぁ?」

「不服ですか?『おめでたい日にお前が1人の罪無き国民に冤罪を着せた』というヘマを即位された新王に早速報告してもいいのなら構いませんけど」

「い、いえ!とんでもねぇです、よっしゃ、さっさと行くぞラルフ!」

「あっこらやめろ押すな!」

俺はギークに扉の向こうへと押し込まれるように、ギークと共に部屋を後にする。

せめてお礼を言わなくてはとメイジスの方を振り返ったが、俺がメイジスを見る前に扉はぱたりと閉まってしまったのだった。

 

 

*ラルフ ~オーラニア王国「オーラニア王宮・大広間」にて~

 

煌びやかな装飾が赤い壁全体を覆う大広間。赤い道を辿った先にある階段が2つ並んだ玉座を掲げ、両側にある鏡は左にノルヴァス、右にファンディアスの姿を映し出している。そんな高貴な空間やシャンデリアの煌めきにも目もくれず、俺達はなお言い争っていた。

「いいか?お前は俺の隣で見ているんだぞ。俺の変な行動したらすぐメイジス卿に報告してやるからな!」

「あーもーまだ言ってんのかよ!さっきそれでメイジスさんに叱られてたじゃねぇか。お前も懲りねぇなぁ」

「うるせぇ!たまたま間違えただけだろうが。そもそもお前が紛らわしいことしてるからだろ!」

「だからそれについては謝っただろ?お前もその早とちり直した方が良いぜ」

「なんだお前、ファンディアスの一員であるこのギークに説教でもする気か!?自称剣士のくせしてよく言うぜ」

「だから自称じゃねぇって言ってるだろ!?」

「お前ら静かにしろ。間もなく始まるぞ」

いつの間にか声が大きくなっていたらしく、言い争っていた俺達は隣にいた別のファンディアスの男性に睨まれてしまった。それと同時に、向かいに立つノルヴァスの列から青いローブを羽織った女性が一礼しパイプオルガンの前へと進んでいく。式典奏者だろうか。

女性が鍵盤に手を置き――その指先を押し出すと、大広間全体にパイプオルガンの音が響き渡る。厳粛で神聖なその音色に、俺達は反射的に口を結んだ。

ファンディアス、ノルヴァスの列から1人ずつ玉座の階段下へ進み、跪く。1人はメイジス、1人は青いドレスを着た女性だ。そしてもう1人、青いローブの男が大広間の外から玉座の階段を上がり、宣言する。

「これより、我がオーランド王家の名のもとに厳粛なる戴冠の儀を執り行う。儀の進行は私、レイヴァス隊長エインが執り行う。我がオーラニア王国の臣民よ、静粛にし給え」

直後、青いローブの騎士団員――もといレイヴァス達が大広間へと入ってくる。大きい旗を持ち先陣を切るレイヴァスの誘導のもと、共に入場してきた気品溢れる男性は王冠を煌めかせながら玉座の前へと立つ。

猛々しいオーラを放つこの男の名はオーランド=ヴァイスシュヴァルツ=ラツァイファー。国民のだれもが知るオーラニア王国の国王様、オーランド王2世だ。

「親愛なる臣民よ。我がオーラニア王国、娘の戴冠式を迎えられた事を諸君らに心から感謝する」

オーランド王の言葉を合図に、続いて綺麗な容姿の少女が大広間へと入ってきた。

桃色のドレスを身に纏った、凛とした佇まいの少女。その美しい容姿に戴冠式に来ていた臣民はざわつく。かくいう俺も、初めて見る王女のその気品溢れるオーラに魅入っていた。

「あの方がマリー王女だ、綺麗だろ?国民は王女の姿を見た事が無いもんな」

得意気に耳打ちしてくるギークに、俺は反射的に頷いた。何故ギークが得意気なのかに突っ込みを入れたかったが、今はそんな事どうでもよかった。

それにしても、なんだ。噂じゃ威厳に溢れた孤高の華だなんて言われていたけど、実際見ると年相応の可愛らしい女の子じゃないか。

「この日我らが国王ヴァイスシュヴァルツ様は退位され、我らが王女マリー様は我がオーラニア王国の新国王になられる。我らはマリー様の名のもとに、さらなる王国繁栄を築く。これに賛同する者は、盛大なる拍手を!」

エインの言葉に返答するように、臣民と俺、王宮の人達は盛大に手を叩く。その拍手に応えるように、エインはマリー王女へと向き直った。

「敬愛なる我が王女マリー様。宮廷魔導士の神託に従い、新国王へ捧げる神々の祝福を用意した。王者たる者、汝はこれを受け入れる事を誓うか?」

マリー王女は表情1つ変えないままエインの前へ跪き、言う。

「誓います。全ては我がオーラニア王国の為に」

マリー王女の誓いを聞いたエインは俺達と臣民に問う。

「王女はオーラニア王国の為、祝福を受け入れる事を選ばれた。新たなる国の民、そして新たなる王宮の者達よ、我らが王のこの御意思を敬愛する事を誓うか?」

『オーラニア王国万歳!!』

『マリー様万歳!!!』

エインの言葉に食い入るように、人々は口々に賛同する。双方の誓いの言葉を確認したエインは満足気に言葉を続けた。

「戴冠の儀にあたり、これより神託に従い祝福の儀を執り行う。マリー様、盃を捧げます」

俺達と同じように整列していた女性が、金色に輝く盃を持ちマリー王女の元へと歩み寄る。

見慣れないその神聖な儀式を俺は食い入るように見つめていた。

マリー王女は女性に柔らかく微笑み、盃を受け取る。階段下にいる俺からは見えないが、どうやら盃には聖水が注がれているらしい。

盃に満たされたその聖水を飲む為、マリー王女はそっと盃の縁に口を付ける―――

その時だった。

 

ドオォオオォオォオォォンッ!!

 

凄まじい爆音とともに王宮全体が揺れ、壁の一部が爆発した。