道化師は嗤っていた。
夜の路地裏に声を響かせながら。
右手にキラリと刃を煌めかせながら。
「迷子のお知らせでーす。心当たりのある方はボクのところまでー…♪」
道化師は赤く染まった男の子と手を繋いで歩く。
「大丈夫だよ?心配しなくても、ボクが会わせてあげるからね♪」
2人の歩いた道が、男の子から流れる赤によって彩られる。
「――君のママも、すぐそっちへ向かわせてあげるからさ」
道化師は1人嗤い続ける。
男の子はもう、動かない。
「蒼星の孤島」開設日:2019年4月2日
URL:https://souseinokotou.jimdofree.com/
管理人:時生時雨