もしもこれが夢ならば、大好きなリンドロメイルパイをお腹いっぱい食べられるだろう。
もしもこれが夢ならば、ミカエルともずっと一緒にいられるだろう。
もしもこれが夢ならば、私は天才的な大魔法使いとして悪い奴をやっつけていただろう。
夢は時に人を幸せに、時に人を不幸にすると言う。
夢は幻想と同一であり、理想の具現化である。行き過ぎた理想は夢の持ち主を現実から引き離し、
夢と現実の境界を惑わせ、幻想の中へと閉じ込めてしまう。
そんな話を、かつてミカエルから聞いた事がある。
でも、そんなのはどうだっていい。
現実で叶わない幸せを夢に見るくらい、いいじゃないか。
そう、たとえ私が『 』でも。
もしも、もしもが続いた先、その先にあるのが夢だけの幸せいっぱいの世界なら。
いつか私の元に、ミカエルも『 』も帰ってきてくれるのかな。
私はアイリス。
落ちこぼれのアイリス。
ミカエルの友人アイリス。
ミカエルの一番弟子のアイリス。
ラルフの仲間のアイリス。
全部全部、本当の『私』で。
そんな私の、もしもの話。